「文章読解とは何か」を数学的に定義するのは難しく、いまだに様々な議論があります。今までの分析によると、まず言えるのは、試験問題で問われていることは「論理的」な思考ではないということです。ここでの「論理的」とは、数理論理学や形式論理学(命題論理や述語論理など)における「論理的な関係」のことです。試験問題で実際に問われている内容は、このような論理関係ではなく、人間社会において通常合理的と考えられている文章のつながりや流れのようです。このような概念を明確にターゲットとした研究はこれまでになく、今後さらに分析や研究が必要です。
さらに、小説の読解では、登場人物の描写から心理を読み取るなど、より複雑(別の言い方をすれば、より非論理的)な処理が必要であり、現在分析やデータ作成を進めています。